天神ジャック(その2) 

直進して改札まで来ると、何やら気になる柱が前方に見えます。

改札手前の風景

(撮影:しろくまさま)


しかし、ここでわざと左側を向くと、壁に黒版ポスターが8枚も貼られています。

まとめて貼られた黒ポスター

(撮影:なぎ@晴れのち平安さま)


ここには異なるポスターを貼るのが普通なので、明らかにやり過ぎです(笑)。

天神ジャック(その1) 

9/24〜30、改札近辺からコンコースまで、
西鉄福岡(天神)駅が特別展の宣伝で埋め尽くされていました。
駅構内をひとつの広告で占領するこの手法、
広告業界では「ステーションジャック」と言うそうです。

特別展開催の2日目から実施するのは何とも中途半端ですが、
広告枠そのものが水曜日開始で設定されているためなのです。

期間中の週末、見に行くか真剣に悩んだのですが、
撮影された方がいらっしゃいましたので、順番に御紹介します。

まず、地上階からエスカレーターでコンコース階に上がります。
すると、いきなり天井に展示品を使ったポスターです。

改札階のコンコースフラッグ

(撮影:なぎ@晴れのち平安さま)


B0の紙を横に2枚ずつ並べています。サイズは縦が103cm、横が291cm。
近くでよく見ると、中央につなぎ目の線が見えます。

図柄は全部異なっており、キャッチコピーもそれぞれ別のものを使っています。

子供たちへの招待状 

福岡県内の小学生には、招待券が配られていました。
引率する親の来館を期待しての作戦です。
江戸時代に『菅原伝授手習鑑』を上演した時も、
寺子屋の生徒に招待券を配布して観客動員につなげていましたね。

招待券は絵馬の形をした2つ折りの紙で、
片方が濃い水色の招待券、もう片方がクリーム色の絵馬。
招待券は「天神さま学習帳」との引換券を兼ねています。

特別展会場の出口に、土産物売場がありますが、
その右側手前にこの絵馬を掛ける場所がありました。

会場の絵馬掛所


屈託のない文章を書いた彼ら、あと数年も経てば、
現実的なリクエストを書き連ねるべく、太宰府に戻ってくるのでしょうか。

天神さまマップ 

ネットで募集した天神信仰関係の投稿記事が、天神さま研究所
大きなホワイトボード2枚に貼り出されていたのは、すでに触れたところ。

会場では、奥の壁に福岡県版、右の壁に全国版が貼られていました。

天神さまマップ・福岡県版

(写真提供:九州国立博物館)

投稿があるたび、こまめに印刷と掲示追加が行われていました。
今回掲載した写真は、おそらく11月上旬に撮影したものです。

天神さまマップ・全国版

(写真提供:九州国立博物館)


さらには反響を受けて追加でシンポジウムまで開催したらしく、
「冊子になったら渡しますね〜」とは味酒さんの弁。活字化に期待しましょう。

内覧会で学芸員さんに投稿を求められ、
「ネタがありすぎて、どれを書けばいいか分からないから」と、
筆者が勝手に設定したテーマは、「空白の都道府県を埋める」。

京都とか大阪とか東京なんかはいくらでも出そうなのでまだしも、
なぜ空白区なのか不思議な県がいくつかあったのですよ。
会場で該当する県をチェックしておき、後日自宅にて原稿作成。
いちおう比較的有名(だと思う)神社を取り上げておきました。

ところが、会期半ばから投稿そのものが増えてきて、はたと思う。

「大量に投稿があるのなら、別に自分が書かなくてもいいんじゃない?」
「どうせ書くなら、本体(自サイト)の方が目立つよね」

この反応で、執筆見送りになった記事が存在するのは否めません。

それでも会期終了間際、東海道新幹線の車内でパソコンを開き、
車酔いに襲われながらキーボードを叩き、追加で原稿を書くのでした。
(……誰もそこまで身を削れとは要求してない。)

会場の掲示スピードには遅れていましたが、
九博のサイトにも同じ記事が掲載されており、現在でも見る事ができます

紅梅殿跡地の実勢価格 

道真が長年住んでいた紅梅殿ですが、

 ・北は綾小路    =綾小路通(あやのこうじどおり)
 ・南は五条坊門小路 =仏光寺通(ぶっこうじどおり)
 ・東は町尻小路   =新町通 (しんまちどおり)
 ・西は西洞院大路  =西洞院通(にしのとういんどおり)

の一町(いっちょう)(120m四方)を占める、広大なものでした。
(場所が良く分からない方はWikipediaに掲載されている平安京図をご覧下さい。)

この敷地面積は大臣クラスの邸宅を意味します。
祖父清公の時代には、すでに邸を構えていたようですが、
清公も父是善も中級貴族ですので、本当はこの半分の面積でもおかしくありません。

しかも、南に隣接するもう一町(天神御所)も菅原氏が所有していたと思われ、
いつのまにそんなに土地を買い占めたのだろうと思う事があります。

綾西公園


さて、2009年になり、
敷地の西側にあたる綾西公園が、無事リニューアル工事を完了していました。
そこでふと気になったのが、この土地の価値はいくらなのかという事。

国土交通省の地価検索システムによると、
敷地東側に相当する「下京区新町通綾小路下る船鉾町388番」の
2009年1月における公示価格が、1平方メートルあたり41万6千円。
これに120m×120m=14,400平方メートルを掛けた結果は、
5,990,400,000円=60億円!?(←衝撃のあまり倒れそうになる)

土地というのは恐ろしいものです。