これは必見!(その8) 

4「白磁円硯(はくじえんけん)」

道明寺天満宮(大阪府藤井寺市)が所蔵する、道真の遺品とされる国宝群の一つです。
直径27cm、高さ6.3cm。焼き物の硯で、中国からの輸入品です。
かなり大きい物だけに、重量はどれくらいあるのでしょう?

白磁円硯

(写真提供:九州国立博物館)


特別展では、背の低いガラスケースを見下ろす格好になります。
10cm先に11世紀前があるというのは、なかなか不思議な感覚ですよ。

画面に写っているものは、すべて国宝です。

右側にあるのが 3「犀角柄刀子(さいかくつかのとうす)」。
サイの角を使った刀で、木簡(もっかん:文字を書くための細長い板)の表面を
削り、再使用するために使う文房具です。言うなれば消しゴムや修正液ですね。

左側にあるのが 1「牙笏(げのしゃく)」。
現在の神職が使うのは木製ですが、これは象牙でできています。
象牙製は五位以上(=つまり文字通りの貴族)に限られます。
もともとは式次第を書いた紙を裏側に貼り、
カンニングペーパーとして使われていましたが、
次第に威儀を正すための道具として使うようになりました。

いや、でもカンペ使いたくなる気持ちは分かるんですよ。
年中行事だけでも数が多いし、内容もひとつひとつ細かいし、
天気によっても内容が変わりますし。
「この時ああしたけど、あの行動は間違ってる!」と、
後に醍醐天皇おんみずから臣下の所作に突っ込んでおられます。

本来、硯の底には周囲に沿って足があったはずですが、現在はなくなっています。

20年近く前に初めて対面した道真ゆかりの品ということもあり、
この硯には個人的にかなり思い入れがあります。

ただ、今展示目録を見ていて気がついたんですが、
他の遺品類が「9世紀」とあるのに対し、この硯だけが「7世紀」になっていました。
道真は9世紀後半(845年生まれ、903年没)の人ですから、
輸入までのタイムラグを考慮しても、古さが際立っています。
彼より前の世代の人が使っていたものを受け継いだ可能性もありますね。

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